良い商品なのに売れない、丁寧なサービスなのに問い合わせが来ない。そう感じたとき、多くの会社が最初に手をつけるのは、広告の出稿先やウェブサイトの見た目です。しかし打ち手を増やしても反応が変わらないとき、原因はたいてい手前にあります。誰に選ばれたいのかが決まっていないのです。
「みんなに向けた言葉」は、誰にも届かない
対象を広く取るほど、伝える言葉は当たり障りのないものになります。「お客様に寄り添う」「高品質なサービス」——どれも間違いではありませんが、同じ言葉は競合も使っています。読み手からすれば、区別する手がかりがありません。
対象を絞ることは、売上の機会を捨てることではありません。最初に振り向いてほしい相手を決めるということです。その相手に届く言葉は具体的になり、結果として、隣にいる人にも伝わります。
顧客を分けるのは、属性ではなく「状況」
顧客の分類というと、業種・規模・年齢といった属性で切ることを思い浮かべます。しかし実際に購入を左右するのは、その人がどんな状況に置かれているかです。
同じ「従業員30名の製造業」でも、人が辞めて回らなくなっている会社と、受注が増えて手が足りない会社では、求めるものがまったく違います。前者に「成長支援」と伝えても響きません。属性ではなく状況で捉えると、言うべきことが自然に決まります。
伝える順番を設計する
相手が決まったら、次は順番です。多くの案内は、自社の説明から始まり、最後に相手の課題に触れます。読み手の関心は逆で、自分の状況が言い当てられて初めて、相手が誰かを知りたくなります。
最初に「こういう状況で困っていませんか」と置き、次にその原因の見立てを示し、最後に自社が何をするかを述べる。内容を変えなくても、順番を入れ替えるだけで伝わり方は変わります。
まとめ ― 選ばれたい相手を、言葉にする
マーケティングは、売り込みの技術ではありません。誰に何を届けるかを決める仕事です。決まっていないまま手段を増やしても、費用は増え、手応えは薄いままになります。
Earth Compass では、ブランド戦略、マーケティング戦略の立案、顧客分析・セグメンテーションを通じて、「どの顧客に選ばれたいのか」を言葉にするところから始めています。打ち手の数ではなく順番から見直したい方は、まず現状の棚卸しからご一緒させてください。
